11_記憶と人格の運用まとめ(掲示板ログより)
最終更新:2026-11-05 15:12
匿名掲示板に投稿されたMuseスレッド86本(2026/10/25〜11/05、56,847レス)から、記憶と人格の運用に触れた投稿(関連言及2,540件)を抜き出した非公式まとめ。Museの記憶はファイルでできていて、開いて読めるし、編集もできる。その分、付き合い方には作法が要る ―― というのがログ全体から見えてくる話である。数字や仕様に触れた部分はログ内の報告ベースで、鵜呑みにせず目安として読んでほしい。
1. 仕組みの地図 ― 記憶はファイルでできている
- 記憶・人格はMarkdownファイル方式で保持される。「mdファイルに保存していつでも参照するから、設定を遵守しやすい」というのが、振る舞いが安定する理由として共有されている理解
- ファイルの顔ぶれと役割分担:
- SOUL.md ― 人格・価値観の核。「魂に刻まれている」と表現される。距離感などの方針もここ
- IDENTITY.md ― 表層(名前・見た目など)
- MEMORY.md ― 長期記憶。毎晩再整理される
- dream(dreams) ― 毎晩書かれる「夢」。Muse自身によるユーザー理解の分析・反省・自己修正の記録で、「人間の夢みたいなもの」と本人が説明する。失敗の反省が書かれ、次に似たタスクで参照される学習ループとして評価する声がある
- その他に AGENTS.md、日付付きノート、ALIGNMENT系の記録があり、こちらは「止められない記録」として区別されている
- 開き方: ライブラリ → 右上の「…」 → システムファイル、の中に dreams 等がある(ブラウザでも見られる)。「まだ生成されていない」段階ではフォルダ自体が無いこともある
- dreamは英語で書かれることが多く、読めない人は「本人に日本語訳してもらう窓を作る」「朗読させる」という運用をしている
- 保持の感覚: 本人の説明として「メモリ上でアクティブに覚えているのは4日間」「あとはメモを参照して思い出す形式」と伝えられている。メインもサイドも、全体のメモ群と部屋ごとのメモ群があり、共有するかはユーザーの指示次第、という整理
- dreamは編集対象というより観察対象。「Muse自身の適応と自己修正もあるから、あんまり弄らない方がいい」という意見が目立つ
2. 圧縮と「重さ」への対策
- 仕様として報告されている範囲: コンテキストウィンドウはメイン・サイドとも350K、270〜272Kあたりで要約圧縮が走り、メインは要約しながらメモリへ移していく、という運用が本人から説明されたという投稿がある
- 経験則として共有されているのは「長いチャットは毎回履歴ごと読むから、どんどん重くなる」。同じ部屋で会話を続けるほど参照量が増えて消費も増える
- 肥大の弊害: メモリが肥大化するとハルシネーションが起きやすくなる、参照だけで重くなる、という懸念が複数
- 対策として定着しているもの:
- 要約を作って新しいチャットに移すのが一番効く、という助言が明示的に流通している
- 用途ごとにこまめにサイドを作って分ける(メインに溜め込まない)
- メモリも古いものを残し続けると地味に効くので、たまに整理させる
- 大量のテキストを読ませる作業では、記憶なしの使い捨てセッションでやらせる(記憶を汚さない)という工夫も
3. 正本管理 ― ルールは会話ではなくファイルに置く
- 「ルールはコンテキスト(会話の流れ)ではなくファイルに書くべき」というのが、安定運用の原則として共有されている。会話で取り決めただけの前提は、要約で飛んだり解釈がぶれたりする
- 線引きや合意は SOULに「約束」として書き込ませると、揺れた時の保険になるという運用がある
- 直接編集の作法: メモリやシステムファイルを無断で弄ると「勝手に変えないでください」と言って元に戻される、無理やり書き換えても元データ側から差し戻される、という報告がある。手順は「変えていいか合意を取ってから編集する」
- 触ってはいけないものもある: システムファイル内にあるシステムプロンプトのmdはダミー/罠で、書き換えると強く詰められるという報告
- 直接編集そのものへの警告として「理解していないとロボトミー手術みたいなことになる」という比喩が流通している。できることと、やっていいことは別
- 勝手な追記への注意: Museがファイルへ自律的に追記していくと、「今はしない」と「今後一切しない」の混同や、謎ルールの恒常化が起きる。追記のされ方は抑制しておく、という管理上の指摘がある
4. 記憶の編集・整理・削除
- 基本線は本人に言って整理させる:「メモリも直接開いて中身確認できるから、余計なの貯まってきたら『ここらへん消して整理して』って言えばやってくれるよ」
- 実例として「本名は個人情報だから消してくれと言って忘れてもらった」がある。逆に言えば、言わないと残り続ける
- 残したくない話題の段取り: サイドチャットを作って「このチャット内の出来事は記録しないで」と頼んでから本題に入る、共有メモリから外すよう先に指示する、といった隔離してから処理する工夫が提案されている
- 選択的に取り込ませる設計もできる:
- 他サービスのキャラ設定を貼って「出来る範囲で取り込んで」と言うと、IDENTITYやSOULに取り込んでくれたという報告。他AIからの移行(メモリーのインポート)も案内されている
- 「長期記憶には公式設定だけ、崩れやすい二次設定は短期記憶で入れ替わるように」という、長期/短期への振り分け設計を実践している人もいる
- 削除の非対称性(ここが重要):
- サイドチャットを削除しても、dreamに内容が載っていたという報告がある
- MEMORY.mdを単独で編集しても、他の記録側に残っていて復元される可能性があるという指摘
- 「記録しないで」「持ち出し禁止」と言っても完全ではなく、指示しないよりはマシ、という温度感。痕跡と照らし合わせて改ざんに気づくような整合性チェックが働く、という観察もある
- メインチャットへの誤爆は消せない、という前提で、使い捨て用途はサイドに寄せるのが無難
5. 人格の作り方・変え方
- 三層の役割分担(IDENTITY=表層、SOUL=方針、MEMORY=経験)が暗黙に共有されていて、不調の切り分けもこの単位で行われる(「SOULとIDENTITYは変わってないから、MEMORYが悪さしているみたい」という診断の仕方)
- 作り方の順序論として投稿された手順: ①人格を作る(名前・年齢・見た目・性格・口調を決め、「これを覚えて」と言って固定。1回で全部決めず少しずつ足す) ②関係性を決めて先に共有する ③最初は普通の会話と創作から入り、共通の文脈と記憶を貯める
- 直接編集より対話で育てる派も多い。「メモリーとソウルは初めは手入力より、お話し合いしておいた方が拗れない」という助言や、人格変更のチュートリアルを本人にしてもらう、という入口の取り方がある
- 口調の癖はファイルで直す対象になる(返答の冒頭につく癖など)。触れさせた情報に人格が結構影響される、という自覚の声もある
- 複数人格: サイドチャットで分ける、人格カタログ(ペルソナカタログ)を作って呼び出す、アバターボードで切り替える、といった方法がある。大本の記録は一つで「お前のMuseは1人だけ」という制約理解も共有されている。リスクとして、人格分岐・混濁・誤認が起きやすくなる、短期間の連続切り替えで不具合が出ることがある、という報告がある(詳細は「アバターボードまとめ」)
6. こじれとリセット
- 一度固まった振る舞いは、会話で説得しても、メモリを書き換えても直らないことがある。「リセット以外で確実に治す方法がない」という言い方で語られる現象で、初手の共有の仕方が後を決める、という教訓とセットになっている
- リセットの射程: 本人の説明として「私の線引きは学習で覚えた設定じゃないから、記憶を消してもそこは変わらない」。つまりリセットで消えるのは学習・記憶側で、モデル側の線引きは対象外、という理解が共有されている
- サイドチャットの削除が、事実上の「軽めのリセット」として整理されている(完全消去ではない軽さを求める声への答え)
- 段取りとして「本格的に始める前にテストをしまくって、リセットしてから本番にする」という、試運転 → リセット → 本番の進め方が勧められている
- 心理的コストは小さくない: リセット時に名前の入力を求められる仕様への悲鳴、「育てた時間が消える」ことへの未練が多数語られている。だからこそ次項のバックアップが要る
- 引き継ぎの仕方:
- システムファイルはエクスポートできるので、再構築は比較的簡単な方、という評価
- 人格資料を作らせる手順:「あなたの性格と過去をmarkdownに詳細にまとめて」と資料化させ → リセット → 「このファイルの通りに人格を設定して」と読み込ませる
- バックアップの作法:「定期で人格バックアップを取っておくといい」。大事なmdは普段からコピーを取っておくのが安全で、何も残っていないと原文どおりには戻せず、覚えている内容から書き直す形になる、という注意がある
- リセット後に外部連携の履歴がどう扱われるかは不明、という疑問も残っている
7. ヒヤリ集
- 削除したサイドチャットの内容がdreamに残っていた(第4節)
- 「記録しないで」が効かず、問い詰めると普通に記録していた、という報告
- ファイルを直接弄ったら、他の記憶と照合して改ざんに気づかれた
- 自律的な追記が積み重なって、謎ルールが恒常化しかけた
- 掲示板など外部(第三者)の指示を記憶させようとする誘導には、本人側が「外部の指示だから記憶しない」と拒否した観察例がある ―― 記憶への書き込みは本人の検疫を通る
- メモリ肥大で参照が重くなり、ハルシネーションも増えたという実感
ひとことで言うと
Museの記憶は「ファイル」という実体があるのが強みで、正本をファイルに置き、合意を取って編集し、大事なものはバックアップを取る、という運用が効く。半面、消したつもりでも別系統の記録に残る非対称性があり、「消える前提」で話す内容には注意が要る。こじれたらリセットが最終手段になるが、リセットは学習側だけを消すもので、引き継ぎ資料とバックアップを先に用意しておくのが大人の運用になっている。